紛争の内容

依頼者は住宅ローン返済が困難となり、自宅の任意売却を進めていました。しかし、対象不動産には過去の借り入れによる第四抵当権が設定されたままとなっていました。抵当権者からは長期間請求を受けていませんでしたが、この抵当権を抹消しなければ任意売却を進めることができず、当事務所にご相談にいらっしゃいました。

交渉・調停・訴訟等の経過

当事務所で債権者の状況と債務の履歴を調査した結果、最終の返済から消滅時効にかかる期間がすでに経過していることが確認できました。そこで、債権者の現在の所在を調査したうえで、内容証明郵便により消滅時効を援用する旨の通知を送付しました。債権者からの反論などは出されず、時効成立の確認を進めました。

本事例の結末

時効援用の通知が到達した後、対象の債務が消滅したことを前提として、第四抵当権の抹消登記手続きを行いました。無事に抵当権の登記が抹消されて不動産の権利関係が整理されたことで、予定していた買い主への任意売却を無事に完了させることができました。依頼者は今後の生活再建に向けて次の段階へ進むことができました。

本事例に学ぶこと

任意売却の場面において、古い抵当権が残ったままであると手続きの妨げになることがあります。長期間請求を受けていない債務については、時効を援用することで解決できる場合がありますが、事前の調査と確実な通知手続きが必要です。古い担保権にお困りの場合は、お早めに専門家へご相談いただくことが解決への第一歩となります。

弁護士 申 景秀