紛争の内容
詳しくはいつのことだか覚えていないが転居等のタイミングで払い残しのあったクレジットカードがそのままになっていたような記憶がある、最近になってクレジットカード会社から債権譲渡を受けたとするサービサーから利息を含めた支払を請求する通知がきた、どのように対応すればよいかわからないので対応を依頼したいとのご相談でした。

通知の内容を確認したところ、正確な利用日等の記載はありませんでしたが、本人の記憶が確かであれば消滅時効援用の意思表示を行うことで解決できると思い、代理人として受任しました。

交渉・調停・訴訟などの経過
請求通知をしてきたサービサーに対して、請求のあったクレジット契約に基づく債権については既に消滅時効期間が経過しているため、書面をもって消滅時効援用の意思表示を行う旨の通知文を送付しました。

本事例の結末
通知文がサービサーに届いてからしばらくした後、サービサーに反論の有無を確認したところ、通知文は受領している、既に時効として処理済みであるとの回答がなされたため、債務整理等の手続を要することなく事件終了となりました。

本事例に学ぶこと
自分でも忘れた頃に昔の借入れやクレジットカードの利用について別の業者から請求を受けることがあります。

そのような通知が届いた場合、まずやるべきは通知に記載されている連絡先に連絡することではなく、通知された内容がいつの借入れ等のことを指しているか記憶を整理することです。

少なくとも5年以上前であるという場合には消滅時効援用の意思表示を行うことで解決することが多いため、記憶を整理した上で専門家に相談しましょう。

弁護士 吉田 竜二