紛争の内容
裁判所から、個人再生手続を申し立てた人についてその返済計画を審査して欲しいという趣旨で、個人再生委員に選任されました。

申立人は2900万円程度の住宅ローンと580万円程度のカードローン等の負債があり、約580万円の2割である約116万円程度を5年間で返済することを希望しました。

交渉・調停・訴訟等の経過
個人再生委員として、申立人の家計を5か月分チェックしました。

約116万円を5年間で返済するとなれば、ひと月当たりの返済額は1万9500円ですが、申立人は返済額よりも約6000円から約3万6000円多い金額を毎月貯蓄に充てることができていました。

また、それ以外にも賞与が支給されるため、賞与を生活費の支払や貯蓄に充てることができました。

本事例の結末
以上の経緯から、個人再生委員として、申立人の返済計画を認めることが相当であるという意見を提出し、裁判所が返済計画を認可しました。

本事例に学ぶこと
個人再生委員は、返済計画を実現するに足りるような貯蓄ができているかをチェックします。こうした活動は、弁護士が申立人の代理人となって個人再生の申立てをする場合においても参考になります。

弁護士 村本 拓哉