紛争の内容
60代後半の相談者は、債権管理会社から、度々、「残高証明書」が送付され、借金の取り立てを受けておりました。
もっとも、相談者がお金を借りていたのは15年も前のことで、債権者も変わっているため、借り入れたことはあるがどうすればよいのか?電話してもよいのか?というご相談でいらっしゃいました。

当職からは、絶対に電話をしないでください。債務の存在を認めてしまうと、債務が更新(旧民法下では「承認」といいました)とされてしまうので、時効援用通知を送ることをご提案しました。
ご相談者は手続にも慣れておらず、弊所が依頼を受けて時効援用することになりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
早速ですが、内容証明郵便にて、消滅時効援用通知書を債権者宛に送付しました。
内容としては、借入及び最終弁済から5年経過(商事消滅時効は5年です)しているため、時効を援用するというものでした。
また、念のため、時効の更新がなされていないかどうかを確認するため、時効の成立に争いがある場合には根拠資料を提示するように求めました。

本事例の結末
結局、債権者は時効成立を争わず、時効の援用により債務を消滅させることができました。
以降、債権者から依頼者に対し、書面を含む一切の取り立て行為がなくなりました。

本事例に学ぶこと
借入れや弁済をしていたのが5年以上前という場合には、消滅時効が完成している可能性も高いです。
うっかり電話などを受けて債務の存在を認めてしまうと、時効が更新(つまり、そこからまた5年以上経たない時効を主張できない)ことになり、非常に厄介です。

過去の負債について債権者から突然通知が届いたという方は、債権者と話をする前に、法律相談してください。
消滅時効が成立していれば、効果を援用(要通知)することにより、債務の支払をしなくて済みます。

弁護士による消滅時効援用通知は、1件4万円(税別)でお受けいたします。
お気軽にご相談ください。

弁護士 時田 剛志