事案の内容

会社員として定年を迎えた後、嘱託勤務としての収入がある方が給与所得者等再生を申立した事案です。
退職金を受領していたことから、多額の財産があるとして一括弁済の計画を考えていたことから、再生委員として当事務所野田が選任された事案です。
 

手続などの経過

再生委員選任後、申立人と代理人と打合せを行い、一括弁済の計画が民事再生法上できないことを指摘し、再生計画を検討するよう指示しました。
その結果、初回で多額を返済し、そのほかは少ない金額を3年間かけて支払っていく方針が示されました。

本事例の結末

初回で多額を返済することについては、当該金額を申立人代理人が預かっていたので問題ないものと考え、その後の弁済計画も履行可能性もあると判断したので、認可の意見書を提出し、裁判所からも認可決定が出ました。

本事例に学ぶこと

本件では、再生計画案がそもそも不適法な方針であったこと、財産が多いことなど、再生委員が選任されるに至りました。申し立て側で行う場合には、不適法な計画・方針を立てないよう、きちんと法に基づいて準備することが必要だと痛感しました。

弁護士 野田 泰彦