紛争の内容
裁判所から、破産管財人に選任されました。
破産管財人は、破産者の財産を管理処分を行い、配当可能な財産があれば、債権者への配当を行うというのが任務です。
破産者は、会社員であり、勤務先において評価額100万円程度の企業年金に加入しており、その他に115万円程度の預金等を有し、合計で265万円程度の財産を有していました。
さいたま地裁の運用においては、預金や現金等の財産を99万円程度は手元におけるのですが、本件において、企業年金をどのように処理すべきかが争点となりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
破産者の代理人弁護士に対して、企業年金は全額、破産管財人による換価処分の対象になる旨を連絡しましたところ、退職金と同様の扱いをすべきであるため、換価処分の対象にはならないと主張しました。
しかし、退職金は民事執行法によって、4分の3が差押禁止財産に該当するために換価の対象にならない部分があるのに対し、企業年金は差押禁止財産にならないため、換価処分の対象になると回答しました。
その結果、破産者の代理人弁護士も企業年金が換価処分の対象となることを認めました。
本事例の結末
破産者の保有財産である約265万円から、99万円を差し引いた残額の約166万円を、破産者から破産管財人に引き継いでもらい、破産管財人の報酬と経費を差し引いた残額である約63万円を債権者へ配当しました。
本事例に学ぶこと
企業年金は、退職後に支給がされるものではありますが、退職金とは異なり、民事執行法上の差押禁止財産には該当しないことがありますので、破産管財人による換価処分の対象となることがあります。
このことは破産管財人の業務を行う場合のみならず、破産者の代理人として業務を行う場合においても考慮が必要になります。
弁護士 村本 拓哉






