紛争の内容

当事務所の弁護士が自己破産手続の破産管財人として配点を受けました。

債権者は約10社で、債務額は約800万円でした。

借入の使途は主に、生活費や債務の返済でした。

免責不許可事由にあたり得る事情として、破産者の方が約10年間スナックに通っていたことや約10年間にわたり純金積み立てを行っていたという事情がありました。

交渉・調停・訴訟等の経過

破産管財人として、まず、破産者及び代理人と面談を行いました。

破産に至る経緯として、破産者の方が行っていた事業が新型コロナウイルスの影響を受けて不振になり、債務が雪だるま式に増えて行ってしまったという事情があったことを聴き取りました。

また、スナックの利用については、自分の意思で行ったのではなく、仕事の付き合いでやむを得ずに行き、費用は自分では負担していなかったことを聴き取りました。

そして、純金積み立てについては、あくまでも自己資金の範囲内で行っており、積み立てのために借入をしたことはないということ等を聴き取りました。

本事例の結末

面談の結果、スナックの利用については、仕事の関係上やむを得ずに言ったものであり、自分では費用は負担していないということで、免責不許可事由である「浪費等による過大な債務の負担」にはあたらないと判断しました。

また、純金積み立てについては、自己資金の範囲内のことであり、新たな借入には結び付いていないことから、これも免責不許可事由である「浪費等による過大な債務の負担」にはあたらないと判断しました。

このように、破産管財人としては、免責不許可事由はないという意見を提出し、裁判所から免責許可決定が出されました。

本事例に学ぶこと

風俗店の利用や積み立て等の投資・投機がある場合、破産手続においては、免責不許可事由とみられ、免責が許可されない可能性があります。

しかし、そのような場合でも、やむを得ずに利用したという事情や自己資金の範囲内での利用だった等の事情があれば、免責不許可事由にあたらないとの判断もあり得ます。

自己破産を申し立てる場合、これらの事情の背景事情・周辺事情も詳細かつ丁寧に聴きとって、申し立てることが重要です。

弁護士 権田 健一郎