紛争の内容

依頼者の方は、若い時の海外旅行や、飲食交際費等により、負債が徐々に増えていきました。
一度は家族の援助の下で負債を整理したこともありましたが、しばらく経つと、再び飲食費や高級品の購入のために借り入れを行い、負債を増やしてしまいました。

交渉・調停・訴訟などの経過

本件では浪費の金額が大きかったため、小規模個人再生を申し立てました。
個人再生の手続きにおいては、個人再生委員が選任されました。
これは、依頼者の方が転職をしたばかりであり、履行可能性に慎重な判断を要したことが原因であったと思われます。

手続き中は、毎月家計簿を作成するとともに、返済予定額を積み立て、個人再生委員に報告しました。
依頼者の方は、ご家族の協力もあり、毎月きちんと家計簿を作成し、積み立ても行うことができました。

本事例の結末

再生計画案に対して債権者からの反対はなく、無事に許可されました。
債務は、約900万円から約180万円へと、約20パーセントに圧縮されました。
依頼者の方は、これを3年間で返済していくことになります。

本事例に学ぶこと

本件では、浪費の金額が大きかったことや、債務を圧縮すれば返済できる見込みがあったことから、小規模個人再生の手続きを選択しました。
依頼者の方は、毎月きちんと家計簿を提出し、必要書類もすみやかに用意していただいたため、個人再生委員が選任されたものの、比較的スムーズに手続きが進みました。

弁護士 赤木 誠治