事案の概要

歩合制の仕事で収入が安定せず生活費のために借入れを開始した、子の学費等の関係で住宅ローンの返済が滞り自宅については任意売却をした、残ローンの返済を行う中で妻がガンとなり医療費が大きく嵩み返済が困難となった、という流れで小規模個人再生手続の申立てがなされたという事案でした。
申立人に目立った財産はなかったのですが、70代という高齢であったため履行可能性の検討が中心となりました。

主な業務の内容

申立人と面談を行い、今後の継続的な就労の見込みを中心に話を聞きました。
現在の勤務先には定年はなく元気であればより高齢で働いている人もいるとのことでした。
可能な限り勤務先から今後も就労可能であることの資料を出してもらうよう依頼しました。
申立人に大きな財産はなかったため、返済額は債権額基準となり、その返済原資の積立は可能な状況でした。

本事例の結末

勤務先からは定年はないこと等の書類が提出されたため、それを踏まえ、再生計画案を作成してもらい、結論的には3年弁済の再生計画が認可されました。

本事例に学ぶこと

今回のケースは破産を選択すると資格制限により現在の仕事ができなくなるという事情があり、小規模個人再生手続の申立てがされたというものでした。
個人再生手続は今後3~5年間返済を継続していくものですので、当該返済期間について安定的な収入が見込めるかという観点が重要となり、定年間際等の場合には履行可能性が問題となることがあります。
仮に申立時点で将来的に収入変動の可能性があるということがわかっているのであれば変動後の収入でも返済を継続することができるということを裁判所が納得する形で説明する必要があります。

弁護士 吉田 竜二