キャリア決済の取扱い

インターネット上で購入した商品や利用したサービスの代金を月々の携帯電話料金と合算して支払うことができるようにする仕組みをキャリア決済と呼びます。

基本的な使い方はオンライン決済時に設定したID・パスワード等を入力するだけであり、その利便性から利用者が増えているようです。

支払能力に問題のない間は単に便利なサービスであるという認識でよいのですが、支払不能の状態に陥った場合、キャリア決済を継続することに問題はないのでしょうか。
 
結論から言うと問題があり、支払不能の状態に陥った後にキャリア決済を継続すべきではありません。
キャリア決済は外見上携帯電話料金の支払いであり、支払不能の状態にあっても必ずしも携帯電話の利用ができなくなるというわけではないため、借入金やクレジットカード利用分の返済を止めた状態でキャリア決済分を含む携帯電話料金の支払いを継続しているというケースが散見されます。

しかし、キャリア決済は、通信会社が商品代等を立替払いし、その立替分を携帯電話料金とあわせて請求しているに過ぎず、実質的にはクレジットカードを利用していることと変わりません。

支払不能に伴いクレジットカードの利用を止めているにもかかわらず、それと同じ効果をもつキャリア決済を継続していたのでは意味がありません。

そのような観点から裁判所は月々の携帯電話料金にキャリア決済分が含まれていないかを注意深くチェックしています。