債務の返済が滞りそれが家族の生活に影響を及ぼすようになると、これ以上は夫婦としてやっていけないという不満から離婚の話合いに進展することがあります(債務の原因が一方配偶者の浪費等による場合が顕著です)。
 その場合、夫婦は離婚し、債務を負う一方配偶者が自己破産をするという流れになることが多いのですが、離婚に際し、慰謝料や財産分与の名目で自己破産をしない配偶者に自己破産をする配偶者の財産が移動することがあります。
 
離婚時の財産移転は問題にならないのでしょうか。
 裁判所は以下の場合には破産管財人が財産移転の効果を否定できるとしています。
 ① 財産分与について、夫婦共有財産と比較して不相当に過大であり、財産分与の形をとった財産処分であると認められるような場合
 ② 慰謝料について、一方配偶者が負担すべき損賠賠償の額を超えて、慰謝料支払いの名を借りた金銭贈与ないし対価性のない新たな債務負担行為と評価できるような場合
 
 自己破産と離婚は別の問題と思われがちですが、離婚条件の内容によっては自己破産事件の中で事後的に取り戻しを求められる可能性がありますので、注意が必要です。