紛争の内容

債務者は、自身の病気治療のためにやむを得ず職場を離職することとなりました。

その後、再就職が困難な状況の中で治療費の負担が重なり、不足する生活費を補うために金融機関やクレジットカードから借入を重ねました。

病状の悪化により返済の見込みが立たなくなり、支払不能の状態に陥ったため、自己破産の手続を申し立てました。

交渉・調停・訴訟等の経過

本件は、一定の資産の有無や生活状況を確認する必要があることから、裁判所より破産管財人に選任されました。

管財人として、債務者の通院状況や家計収支の推移を精査し、借入金がすべて生活費や医療費に充てられていた事実を確認しました。

また、債務者が受給可能な公的扶助の有無を検討し、今後の生活再建に向けた助言を行いました。

本事例の結末

管財人の調査の結果、借入の原因に浪費や射幸行為などの不当な点は認められず、やむを得ない事情による生活困窮であることが確認されました。

これに基づき、管財人から免責を相当とする意見書を裁判所に提出しました。

最終的に裁判所から免責許可決定が下され、債務者は借金の負担から解放され、治療に専念できる環境を整えることができました。

本事例に学ぶこと

病気や離職などの予期せぬ事態で生活が困窮し、借金が膨らんでしまった場合、早期に法的整理を検討することが重要です。

真面目に生活を送る中で生じた債務については、破産管財手続を通じて生活再建の道が開かれる可能性が非常に高いです。

一人で悩まずに専門家へ相談することで、健康の回復と経済的な立ち直りを同時に目指すことができます。

弁護士 申 景秀