紛争の内容
1 初めての借入
依頼者は、2000年ころに、引っ越し費用を工面するために、武富士から10万円程度を借り入れた記憶があります。依頼者は、日雇いの現場作業員として働き、日給月給制で、13万円位を得ていたとのことです。
同居を開始し、配偶者の方は、美容師として働いており、家賃・生活費は、妻とシェアしていたそうです。
2ペイディ、メルペイの利用
2020年ころ、依頼者は都内に居住し、日雇いの作業員として働きつつ、また、美容師として、活動していたそうです。
コロナ過であり、居住地の社会福祉協議会から、自営業として、コロナ融資を受けましたが、非課税であり、結果、支払いについては免除を受けました。
また、ペイディで、アイフォンやアップルウォッチを購入し、また、メルペイで、アマゾンを利用して、仕事に使用する消耗品なども購入し、その支払いについては、ペイディも、メルペイも、直近まで支払っていたとのことです。
3 郊外の役場臨時職員
依頼者は、2022年(令和4年)夏に、郊外にある役場の臨時職員になりました。
住まいも用意され、諸々引かれて手取り10万円位だったそうです。
臨時職員としての仕事は、町経営の果樹園での施設管理の仕事だったそうですが、2023年9月、ビニールハウス作業内で熱中症になり、地元の病院に救急車で運ばれ、治療を受けたそうです。この未払もありました。
4 メンタル疾患(統合失調症)の悪化
依頼者は、10年以上前から、幻聴がひどく統合失調症にかかっていましたが、役場の臨時職員として勤務していたころは、体調も良い時が多く、週5日勤続できていたそうです。
しかし、その後、手足のしびれがあり、指先が満足に動かず、平衡感覚を失い、さらに、幻聴がひどくなりました。
そこで、依頼者は、傷病手当金を得て、役場の臨時職員を退職後は、失業手当を受けて、生活していました。
5 武富士債権を引き継いだ株式会社に対し、消滅時効援用通知
依頼者宛に、2024年、武富士の債権を引き継いだ株式会社日本保証から、支払いの通知を受けたそうです。
行政書士に相談し、消滅時効援用の通知を発したそうです。その後、特に、裁判など提起されていませんでした。
6 運転手アルバイト給与未払い、生活保護受給開始
依頼者は、体調の良い時に、運転手のアルバイトをしていましたが、その会社から、直近2か月分の給与を支払ってもらえなかったとのことで、労基署にも相談しましたが、同社は、労基署からの勧告にも応ぜず、支払ってくれなかったとのことです。
これもあってか、依頼者は長らく患っている統合失調症が悪化し、生活保護を受給することになりました。
なお、この未払のバイト代の請求について、法テラスで弁護士に相談したそうです。
担当の弁護士から、回収がかなわないかもしれない、また、回収しても、法テラスの費用償還に充てられるかもしれないなどと説明を受けたそうで、結局、回収について弁護士に依頼はしなかったそうです。
そして、法テラスの法律相談を受け、改めて、自己破産の申し立てを依頼したものです。
よって、この未払い給与請求権が、破産申立において、債務者の保有する財産として計上されることになります。
本事例の結末
依頼者の積極的な協力、誠実な対応もあって、順調に申立がかないました。
また、ご依頼後、NISAの利用が判明し、その資料などを準備してもらいました。
未払の給与請求権などもありましたが、裁判所は、管財事件とせず、同時廃止事件として処遇しました。
そして、めでたく、裁判所より、免責の許可が出ました。
本事例に学ぶこと
依頼者は、精神疾患の悪化により、就業することがかなわなくなり、生活保護を受給し、生活を営んでいました。未払いの賃金請求権などもありましたが、裁判所は回収の見込みなしと判断したのか、管財事件としませんでした。
生活保護者であり、法テラスの法律援助制度を利用しておりましたので、仮に、管財事件となれば、その追加費用の負担を申請する予定でした。
当事務所にご依頼後も、体調のすぐれないこともあったようですが、体調と相談しつつ、こつこつと申立準備をしてもらいました。
当事務所からの指示には出来る限り速やかに対応してもらうことができましたので、スムーズな事件処理ができました。依頼者の方の協力は不可欠ですので、大変助かりました。
当事務所では、ご相談者がどのような事情で支払い不能に陥ったのか、その後の対応について、的確なアドバイスができるものと自負しております。
依頼者は、仕事に就くことの意欲にあふれていますが、やはり、長く患っている疾患があります。
今後の再出発にも、私たちが協力できるのは、負債の整理であり、体調の方は専門家医師に任せるほかありません。
就業意欲に富み、しかしながら、体調がそれを許さない誠実な方に対しては、その再出発のため自己破産申立てについては、的確なアドバイスないし指導をもって、破産申立、免責許可に導くことができることを自負しております。
まずは、お電話での債務整理相談をお受けください。
弁護士 榎本 誉






