事案の内容
依頼者の方は、離婚をきっかけに生活が苦しくなり、ショッピング枠の利用が増えていきました。
途中でリボ払いを利用するようになった結果、月々の返済によっても債務が減らず、徐々に負債が増えてしまいました。

また、両親が病に倒れてしまったときにも献身的に看護をされ、入院費なども支出しました。

その結果、負債は約750万円にも増えてしまいました。

事案の経過(交渉・調停・訴訟など)
本件では、依頼者の方の収入が安定していたことから、債務を圧縮すれば十分に返済可能でした。
また、依頼者の方の職業は、自己破産により制限を受けるものであったため、その選択はほぼ不可能でした。

そこで、小規模個人再生を申し立てる方針を選択しました。
申立ての準備に際しては、依頼者の方は毎月丁寧に家計簿を作成していました。

また、親族への援助をおこなっていた点については、最低限のものに留めてもらいました。
また、必要な資料についても、すべて揃えていただきました。

結果、本件では裁判所による個人再生委員の選任はされないまま、手続きが進みました。
裁判所に申し立てた後も、家計簿を作成して裁判所に提出するとともに、履行テストの積み立ても行っていきました。

本事例の結末
再生計画案に対して、債権者からの反対はなく、無事に許可されました。
債務は、約750万円から約150万円へと、約20パーセントに圧縮されました。
依頼者の方は、これを3年間で返済していくことになります。

本事例に学ぶこと
本件では、ご本人の職業や返済の見込みから、小規模個人再生の手続きを選択しました。
依頼者の方は、家計簿を正確に作成し、しっかりと収支を管理していました。
結果、本件では個人再生委員の選任もされず、スムーズに手続きが進みました。

弁護士 赤木 誠治