紛争の内容
ご依頼者の方は、ギャンブルが原因で借り入れが増え、当事務所に自己破産を依頼されました。
準備が整ったので、裁判所へ破産申立てを行い、管財人面談や債権者集会が行われました。
その後、破産開始決定後にご本人が代理人や破産管財人に秘して再びギャンブルを行っていることが判明しました。

交渉・調停・訴訟等の経過
破産開始決定後のギャンブルが判明し、これを受けて、破産管財人からは、免責不許可が相当であるとの意見が出されましたが、裁判所はからは、手続を継続する旨の決定が出されました。

隠れてしていたギャンブルの期間は長く、金額も高額(150万円超)でしたので、免責許可決定を得られるかどうかは、かなり厳しい見通しでした。

もっとも、ご本人は、ギャンブルをしてしまったことを真摯に反省し、ギャンブル依存症治療を受け、その経過を逐一裁判所へ報告しました。
また、ご本人直筆の反省文や代理人が作成した上申書を裁判所へ提出するなど、できる限りのことを行いました。

本事例の結末
裁判所は、ご本人が真摯に反省し、ギャンブル依存治療などを受けて経済的再生を真剣に考えていることなどを考慮してくださり、免責許可決定が出されました。

本事例に学ぶこと
破産開始決定後も我々代理人に隠れてギャンブルを再開していたことは、代理人・依頼者間の信頼関係を大きく損なうものですから、本来であれば、ギャンブルの再開が発覚した時点で弁護士の方から辞任することもあり得ます。

本件では例外的に代理人を継続しましたが、重大な免責不許可事由がある場合でも、当該事由について真摯に反省・分析し、再発防止や経済的再生に向けた取り組みを真剣に行えば、免責許可決定を得られる可能性がゼロではないことが示された、稀な事例となりました。

弁護士 田中 智美
弁護士 権田 健一郎