紛争の内容

依頼者の方は、会社の営業職として働いており、契約獲得のノルマがありました。
そのために、会社が出す上限以上の接待費を、自腹で負担していました。
また、手土産なども、自分のポケットマネーから出していました。

私生活では、ギャンブルが好きなことから、借り入れをしてギャンブルに使ったこともありました。

配偶者の方が病気を患ってしまい、会社を辞めて家計の収入が減った影響もありました。

これらの複合的な原因により、負債が増えてしまいました。

交渉・調停・訴訟などの経過

本件では浪費もあったことから、当初から小規模個人再生を申し立てる方針でした。

ところが、依頼者の方の勤務先の業績が急激に悪化し、社内で早期退職者の募集が始まりました。
依頼者の方も新しい環境でのチャレンジを望んでいたこともあり、我々が受任した後でしたが、依頼者の方は転職しました。
申立ては、転職して試用期間が経過してから行いました。

本事例の結末

本件の個人再生手続きにおいては、個人再生委員が選任されました。
これは、依頼者の方が転職をしたばかりであり、履行可能性に慎重な判断を要したこと、また、前職の退職金が手元に入ってきたため、資産が大きかったことが原因であったと思われます。

手続き中は、毎月家計簿を作成し、個人再生委員に報告しました。
依頼者の方は、ご家族の協力もあり、毎月きちんと家計簿を作成してきました。
また、返済原資として、退職金には手を付けませんでした。

再生計画案に対して債権者からの反対はなく、無事に許可されました。
債務は、約1500万円から約500万円へと、約3分の1に圧縮されました。
依頼者の方は、これを5年間で返済していくことになります。

本事例に学ぶこと

本件では、浪費が負債の一因であったことや、転職に成功して今後も収入が見込めたことから、小規模個人再生の手続きを変更しませんでした。
依頼者の方は、毎月きちんと家計簿を提出したため、個人再生委員が選任されたものの、比較的スムーズに手続きが進みました。

弁護士 榎本 誉
弁護士 赤木誠治