紛争の内容

 借金が400万円程あり,借金の主な原因は生活費でした。
68歳という高齢であり,破産も検討しましたが,6年以上続けている警備員の仕事を続けたいという想いや,少しでも弁済したいという思いが強くありました(なお,破産手続期間中は,警備員の仕事に資格制限を受けます)。
 そこで,小規模個人再生の方針を決定し,弁護士が受任通知を送り,借入れや返済をストップして,家計の管理を始めてもらいました。

交渉・調停・訴訟などの経過

 再生手続を申し立てるまでに,家計の余剰が出るように収支を調整してもらいました。また,必要書類についてもご準備頂きました。受任してから,約4か月で,再生手続を申し立てることができました。
なお,必要書類のうち,家計簿は申立前2か月分を提出する必要がありますので,早くても受任から2か月以上後に正確な家計簿が用意できてから申し立てることになるのが通常です。
裁判所では,一度,債務者審尋といい,裁判官と面談し,事情をお話ししました。なお,弁護士も同席し,適宜,補足で説明をします。面談では,主に,債権者・債権額の確認,借金の経緯,換価できる財産等について聞かれました。
 また,小規模個人再生といって,借金を大幅に減額し,残りを3~5年で返していく手続であるため,きちんと履行(弁済)できるかどうかが重要になります。そこで,裁判官から,履行テストとして,数か月間,月2万円程度を積み立てることが求められました。なお,履行テストの金額は,家計の状況にも配慮してもらい,ぎりぎりの金額を設定してもらえました。

本事例の結末

 きちんと履行テストが完了し,かつ,過半数債権者の不同意も出なかったため,無事に小規模個人再生の認可がおりました。本人は,その後,4年間をかけて,3か月に1度のペースで,400万円から100万円に圧縮された債務を返済していくことになります。

本事例に学ぶこと

 破産手続で免責を受ける際には,資格制限を伴います。我々弁護士のような仕事はもちろんですが,中には警備員なども含まれます。資格制限は,破産手続が終了すれば解除されますが,その間も働けないと収入が得られないという悪循環が生まれます。そこで,破産の資格制限がある方は,小規模個人再生により,資格制限を受けずに,借金の大幅減額を受けられることがあります。