給与差押えのデメリット

債務の返済が滞ると、債権者から訴訟を起こされ、その後、給与が差し押さえられるということがあります。
会社に債務の返済が滞っていることがわかってしまう、給与差押えにより月の手取り金額が少なくなるという直接的なデメリットに加え、その後の債務整理手続においても以下のようなデメリットがあります。

① 破産手続を選択する場合
破産管財人が選任される管財事件となります。
債権者が弁護士から受任通知を受けた以降に給与差押えにより回収した金員は破産法に基づき取戻しの対象となります。

そして、その取戻しを行うために破産管財人が選任されます。

破産手続申立前に債権者が差押えにより回収した金員を戻してくれれば破産管財人による取戻しの必要はなくなりますが、債権者の多くは回収した金員について破産手続開始決定以降に破産管財人に戻すという対応をとりますので、破産手続申立前に給与差押えがなされているケースでは破産管財人が選任されると考えておいた方がよいです。

② 個人再生手続を選択する場合
個人再生手続では上記の取戻しの制度の適用はないのですが、破産手続における処理との均衡を保つ必要から、債権者が弁護士からの受任通知を受けた以降に給与差押えにより回収した金員相当額を債務者の清算価値に加算して清算価値の算定を行うことになります。

以上のとおり、給与差押えにはデメリットしかありません。

ただし、給与差押えに至るまでには複数の予兆がありますので(債権者からの訴訟予告、裁判所からの訴状等)、給与差押えを回避するための機会が与えられていないというわけではありません。

予兆を感じた場合にはその時点で一度弁護士に相談することをお勧めいたします。