債務整理のご相談で、生活費や買い物のためにカード利用をしているうちに、
気づくと負債が膨大な額になって返済ができなくなった、という事例が多くあります。
個々に様々な事情はありますが、多くに共通している内容は、
「返済を続けていれば借入額が増える。そうすると、次第にそれが、自分の預金残高だと思うようになり、
借りては返す、を繰り返すようになった」というお話です。

そもそも、キャッシングをしたり、買い物をカード決済にする段階で、それはすべて借金なのですが、
返済が間に合わなくなり借金ばかりが膨らむと、「とにかくどこからかお金を調達しなければ!」と思い、
「あと○○円借りられます」という誘惑にはまっていくらしいのです。

依頼者Aさんもまったくこのパターンで借り入れを繰り返し、
どこからも借りられなくなってご相談に来られました。
方針は破産。カード生活ができなくなり、家計簿をつけていくうちに、
これまで自分が繰り返してきた、収入に見合わない出費に初めて気づいたといいます。

借金の原因が生活費や子どもの教育費など浪費ではなかったことと、
家計簿をつけて無駄な出費をやめて生活を改めたことで、無事に免責となりました。

「あのままの生活を続けていたら精神的に追い詰められて、どうにかなっていたかもしれません」というAさん。

当初は不安と借金苦でこわばっていた表情も、免責決定を受けて最後には笑顔で
「今後も家計簿をつけて自分の家計の収支をしっかり把握して生活していく」とおっしゃっていました。

堅実な生活を続けられることを祈りつつ、「がんばってくださいね!」と私も笑顔でエールを送りました。