1 債務整理、つまり借金の整理に際して、私たちは、「どのようなところから借りていますか?」、という質問をします。
 これは、債権者を特定する必要があるからです。
 当然、ほとんどの方は、消費者金融や銀行といった金融機関から借り入れをしていますが、借金の整理をする時には、これ以外の債権者も明らかにしなければいけません。

2 まずは、クレジットカード会社と言われる信販会社です。
  意外に思われる方もいるかもしれませんが、ショッピング枠を使っての物品購入だけであっても、残額がある限り、クレジットカード会社は債権者になるのです。
  クレジットカードを使って物を買った場合、翌月や翌々月に支払請求や引き落とし日が来ますが、これは、1ヶ月分や2ヶ月分の商品代金をクレジットカード会社から借りているのと同じ状況だからです。

3 次に、事業をしていた方の場合は、リース会社や手形を振り出した相手、取引先といった人も債権者ということになることが多いと思われます。
  特に、事業をしていたような方は、会社が負っている債務を保証しているケースが多いので、自分が借り入れや商品の購入などをしていない場合であっても、保証契約がある場合には、保証先も債権者になります。

4 このほかに、一番忘れがちなのが、親族や友人・知人です。
  これらの人からの金銭の移動は、援助(贈与)である場合もあるので、そのような場合には債権者に挙げる必要はありません。
  他方、親族や友人・知人に借り入れがあるのに、それらの人にだけ返したいということを理由に、債権者であることを隠すことは絶対にやめて下さい。
  破産の手続等の場合に債権者を隠すことは、免責が得られない事情になってしまうからです。

5 借金の整理は非常につらいことですし、隠したいことも多々あると思います。
  しかし、きちんと整理し、再出発のためにも、債権者は正確に教えて下さい。

以上