会社が破産する場合、取締役の1人が取締役会に出席できないのですがどうすればいいですか

会社が破産手続開始の申立をするには、取締役会決議が必要です(会社法362条4項)。
そして、この決議は、定款に特段の定めのない限り、取締役の過半数が出席し(定足数)、出席取締役の過半数の同意があれば成立します(会社法369条1項)。

したがって、取締役の1人が出席できないとしても、上記要件さえ満たしていれば、破産手続開始の申立はできます。

なお、出席といっても、テレビ電話会議や電話会議による取締役会の開催も一定の要件の下で認められますので、必ずしも現実に役員が一堂に会さなければならないというわけではありません。ただし、代理出席や持ち回り決議は認められないと考えられています。

また、取締役会を開催せず、取締役の1人が当該会社について破産申立を行うこともできます。これを、準自己破産といいます(破産法19条1項、2項、4項)。
ただし、準自己破産の場合には、破産申立を行うに際し破産原因を疎明(=裁判官に、疎明事実について一応確からしいという心証を生じさせること(確信より低いレベル))しなければなりません。