会社の経営が行き詰まり、法人破産という選択肢を考えたとき、経営者が心配する一つに家族への影響があると思います。会社の負債は原則として会社のものであり、ご家族に直接引き継がれることはありません。しかし、もし会社代表者の方やご家族や従業員の方など、どなたかが会社の借入金などの連帯保証人や連帯債務者等になっている場合、会社が破産をしても、個人の保証債務は残ります。保証債務の残額が多額であれば、ご自身も自己破産などの債務整理を検討することになります。

その場合、ご自宅がご自身の名義の不動産であれば手放すことになります。それ以外にも保険解約返戻金や大きな財産があれば、管財人に処分されることになったり、あるいは同等額を管財人に引き継がなければならなかったり(案件や財産の内容によって対応は異なってきます)、生活にも影響が出てきます。

次にご家族の財産への影響ですが、法人破産はあくまで会社の手続きのため、代表者のご家族名義の預金や不動産が処分されることはありません。だからといって会社の財産や保証人になっている方の財産の名義変更をすればいいのかというと、それは問題行為になってしまいます。処分を免れるために財産の名義変更をしたとみなされる行為は、破産管財人によって取り戻される可能性があります。

法人破産は会社の手続きであっても、連帯保証をしていれば決して無関係ではありません。場合によってはご家族のご理解やご協力も必要になってきます。しかし、正しい知識を持ち、専門家に早めにご相談いただくことで、再出発に向けた準備を進めることができます。一人で抱え込まずに、当事務所にご相談ください。