紛争の内容

1 依頼者は、2000年ころに、複数の大手消費者金融からの借入金200万円余りの任意整理を行い、それを完済した経験のある方です。

2 依頼者は、2003年ころ、他県から埼玉県に転居し、食品販売をする会社に正社員として勤務し、手取りは23万円位を得ていました。

その後、依頼者は自分で商売をしたいと思い、食品販売の委託販売員として勤務し始めました。

報酬は売り上げ連動となり、会社員時代よりは減りましたが、それでも手取り20万円以上を稼ぎ出していたとのことです。

しかし、数年後、売上の減少や、食材ロスなどから、収益が減り、手取りが12~3万円になってしまったとのことです。

それでも、食品販売の自営では、アルバイト2,3名を雇っており、バイトとの懇親を兼ねた飲食をするために、クレジットカードを頻繁に利用しました。

そして、売り上げが減り、当然に手取りが減ったことから、生活費の補填のために、カードを利用し、さらに負債が増えました。

3 委託販売の自営業を辞め、正社員に復帰し、店長などを任され、手取り月給でカードの負債を返済していきました。

しかし、店長を任されているときにも、部下であるアルバイト店員たちを連れ立っての飲食をし、これは会社の交際費として経費付できないものでありましたので、やはり、クレジットカードを利用したとのことです。

4 2019年に転職したパッケージ作業の会社で、体の負担が大きすぎ、長くは勤められず、その後は派遣会社に登録し、3年ほど働いたそうです。

依頼者は、不整脈のカテーテル手術を受けることになり、派遣の仕事もやめ、2023年の年末から軽作業の仕事に就きました。

5 令和3年に、当時の大家さんの厚意に甘え、未払い賃料が200万円を超えるようになり、引っ越し費用50万円を同居人が用立て、引っ越しました。

この未払賃料とカードの負債の整理のため、弁護士に破産を依頼し、弁護士費用も1年を超える分割支払いとしてもらい、弁護士費用の支払が終わるめどがついたころ、依頼した法律事務所から、申立書類の準備の催促を受け、また、打合せを求められたそうです。

しかし、依頼者は当時、心臓の手術後で体調もすぐれず、すぐに準備することができず、放置してしまったそうです。結局、当時依頼していた法律事務所からは、辞任されてしまったとのことでした。

6 当事務所への依頼

そこで、依頼者は、改めて、当事務所に破産申立を依頼しました。

受任に際しては、当事務所でも、当事務所からの連絡に対し、応答いただけなかったり、申立準備の書類をご用意いただけない場合には、辞任せざるを得ないので、この点はよく理解してもらいました。

弁護士費用の分割も滞りなくお支払いになり、また、申立書類の準備も滞りなく行っていただき、円滑に破産申立を行うことができました。

本事例の結末

依頼者の積極的な対応もあって、順調に申立がかないました。

浪費と評価されるカード利用でしたが、その後の、大病の経験、ご夫婦での堅実な生活の再構築が可能となっている家計簿の提出などができ、免責調査型の管財手続きの扱いとはなりませんでした。

そして、めでたく、裁判所より、多重債務の支払い義務を免除する旨の、免責許可が出ました。

本事例に学ぶこと

依頼者は、自営業時代のアルバイト従業員や、店長時代の部下の従業員との懇親のためとして、その飲食代をおごっていました。それをクレジットカードで支払い、多額の負債となりました。

クレジットカード会社からの督促には注意を払うも、賃借している家屋の大家さんには甘え、200万円以上の未払い賃料を残してしまい、依頼者は、大家さんには本当に申し訳ないと思っていました。

債権者である大家さんからは、多額の未払い賃料がありながら自己破産したことについて、当然納得がいかず、免責についての意見書に、支払いを求める旨の意見を書き、提出されました。

なお、免責についての意見書は、破産者に免責不許可事由があるとの具体的事実を述べるものですので、残念ながら、大家さんの意見は適切ではありませんでした。

しかし、大家さんの気持ちはもっともであり、依頼者は、深く反省しておりました。

当事務所では、先に依頼した法律事務所から委任関係を解消された方についても、債務整理相談を受け、誠実な方として、改めて手続を取り直したいと考える方に対しては、ご依頼をお受けする対応をとっております。

過大な債務を負った原因を深く認識し、それを繰り返さないとの決意をもって、再出発する方の自己破産申立てについては、的確なアドバイスないし指導をもって、破産申立に導くことができることを自負しております。

まずは、お電話での債務整理相談をお受けください。

弁護士 榎本 誉