紛争の内容

長年、個人のドライバーとして働かれていた相談者でしたが、ある日、脳の疾病を患い、仕事をすることができなくなってしまいました。
運よく一命を取り留めましたが、収入もなくなってしまい、相談者が長年、キャッシングやクレジット使用していた会社の支払も儘ならないと途方にくれていた際、グリーンリーフ法律事務所の弁護士に相談をされました。
相談者は、実はすでに別の法律事務所に依頼をしていたそうですが、対応に問題があったそうで、弊所の弁護士の方が説明も分かりやすいとして、弁護士の変更をされました。

交渉・調停・訴訟などの経過

まずは、長年の取引履歴をとりよせ、過払金計算を実施しました。
すると、500万円を超える過払金があることが判明しました。
ここから、クレジットカードの未払いを差し引いても、相当の金額を請求できることが分かりました。
そのため、まずは交渉事件として、債権者と過払金返還交渉をスタートしましたが、100万円前後の回答しかしてこない等、到底、話し合いにならないような主張がなされました。
そこで、訴訟で決着をつけた方が確実性は高いと判断し、訴訟提起を行いました。
訴訟では、いわゆる「冒頭残高0計算」の相当性が争いになりました。
債権者としては、「平成11年3月以前の取引履歴は廃棄しており残っていない」として取引履歴を出しておらず、そのため、記録がある平成11年4月の時点では借入れがないことを前提とした計算をしているのでした。しかし、債権者は、その時点で20万円程度の貸付が残っていた記録のみ残っているとして、反論をしてきていました。実は、この時点で借入れが0円か、20万円かにより、現在の請求額に大きな差が生じます。そのため、原告側としては、文書提出命令という申立をしたり、反転計算として平成11年4月~数年分を平成11年3月以前に同様の取引を繰り返していたとして仮定的に計上したりして主張を行いました。

本事例の結末

文書提出命令については、地裁レベルでは棄却、高裁レベルでも認められませんでしたが、裁判官からの和解勧告があり、基本的には、冒頭残高0計算に近い金額として、483万円という呈示がなされ、両者が合意したので、和解が成立しました。

本事例に学ぶこと

過払金請求事案では、古い取引については記憶も記録もないことがあります。その場合にも諦めずに、記憶をもとに主張していくことが肝要です。また、貸金業者はビジネスとして貸し借りをしているのであり、貸金業者に証拠開示をできる限り求めていくことも重要です。
過払金請求に関しては、名古屋消費者信用問題研究会の過払金返還請求関係の書籍等が、従前から、数々の裁判例を勝ち取ってきた立場から解説されていますので、参考になりました。

この記事をご覧いただいている皆様が弁護士を探される場合に、何らかの参考になれば幸いです。
過払金についてお悩みの方は、債務整理問題を専門に扱う弁護士法人グリーンリーフ法律事務所まで、お気軽にご相談下さい。
弁護士 時田剛志


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