破産における「非免責債権」のうち、「悪意で加えた不法行為による損害賠償請求権」について

破産の手続をとっても、免責、つまり債務をなしにしてもらえない債務があることをご存じでしょうか。

これは「非免責債権」といって、「税金」などが典型例ですが、ほかにも「破産者が悪意で加えた不法行為による損害賠償請求権」もそれに当たるとされています。

「悪意で加えた不法行為」の「悪意」とはどのようなものかというと、「単なる故意ではなく、他人を積極的に害する意欲を意味する」というのが通説と考えられています。

裁判例でこの「悪意」が認められたのは、例えば、
・債務超過を認識した上でクレジットカードを利用して、商品購入等をした例
・金融業者からの借入に際し、他からの債務の状況、資金使途、保証人などにつき虚偽の説明をした例
・町長が無権限で公印を使用して、リース業者と割賦売買契約を結んで、売買代金を詐取した例

などがございます。

破産手続をしても、免責を受けられないのであれば、その債務は支払い義務を免れないわけですから、その点は弁護士に相談する時点で、きちんと事実関係と共に報告することが重要と思われます。